研究内容
本研究分野では、「相境界のエレクトロニクス」と「多機能薄膜・2次元材料の開発」を研究の基軸とし、半導体、エネルギー、環境分野の発展に貢献することを目指した電子材料とデバイス応用の研究を行っています。
なお、これらの研究は科研費(21H01755)の助成を受けております。
相境界のエレクトロニクス
流動層と電子材料の固液界面、ナノ材料界面、相変化など相境界における様々な物理現象を利用した新たなエレクトロニクス創成を目指した研究を行っています。
液体流動で発電するデバイスの出力密度定量
マイクロフローチップを用いた実験によってグラフェン上を流れる水によって生じる起電力の定量に成功しました。純水がグラフェン上を流れるとき、流速に応答して電圧が発生することがわかりました。また、グラフェンに接する水の面積と流速に比例して起電力が増加することが明らかになりました。この論文は名古屋工業大学、東北大学流体科学研究所、大阪大学、ワシントン大学、NASAとの国際共同研究の成果であり、AIP Scilightで紹介されました。
わずか水1滴で発電
傾斜して設置したグラフェンに1滴の水を雨粒のように落とすと着滴と液滴移動の間に発電し、グラフェンに窒素をドーピングすることで約3倍の電圧が生じることを見い出しました。この成果は名古屋工業大学、大阪大学、NASAとの国際共同研究です。
- Applied Physics Letters, 112 (2018) 023902.
- Advance Engineering Materials, 20 (2018) 1800387.
- Results in Physics, 12 (2019) 1291.
静電気を利用した発電デバイス
摩擦帯電を利用した発電デバイス(TriboElectric Nano Generator, TENG)の研究が世界中で盛んに行われています。Kyung Hee UniversityのProf. D. Choiの研究グループとの国際共同研究ではポリマー表面の改質を行い、TENGデバイスの高出力化と長寿命化に成功しました。
運動性タンパク質のすべり運動を利用した熱計測
運動性タンパク質のすべり運動をカーボンナノチューブ上で再現し、レーザー照射によってカーボンナノチューブを局所的に加熱し、タンパク質の滑り速度変化をとらえることで熱計測に成功しました。
液中放電でナノ材料をつくる
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他にも様々な視点で関連研究を行っています。
多機能薄膜・2次元材料の開発
電子・半導体材料の成膜技術、改質技術、微細加工技術を駆使して、電気的、光学的、機械的、化学的、生化学的特性やナノ材料特有の物性を持つ新たな材料開発の研究を行っています。
(イラスト提供:SayEdit.com)
透明で電気伝導性のある薄膜
可視光領域で透明性と電気伝導性を両立することはそれほど簡単ではありません。酸化物材料を対象に透明導電性薄膜の研究を行いました。
- Japanese Journal of Applied Physics, 60 (2021) 035503.
- Materials Science in Semiconductor Processing, 134 (2021) 1060030.
- Material Research Express, 8 (2021) 016402.
- Thin Solid Films, 714 (2020) 138386.
抗菌作用がある薄膜
Ongoing
透明で発光する薄膜
Ongoing
水中の有機物を分解する光触媒
Ongoing
透明度が変わる薄膜
Ongoing
アンモニアを合成する薄膜
Ongoing
濡れ性を制御する
Ongoing
二酸化炭素削減が可能な触媒
Ongoing
海中からリチウムイオンを回収する
Ongoing
燃料電池に応用可能な酸素還元触媒
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低温でつくる窒化ガリウム
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太陽電池応用に向けた量子構造作製
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